出口 隆啓

文系出身で本業マーケティングの私が

航空宇宙事業本部長(仮)になった話

Astronaut in Space Illustration

皆さんこんにちは!Panasonic学生長期インターンの安西咲百合です。


インターンの中で出会った気になる社員の方にインタビューさせていただく本企画の第3弾。

今回は、PID社 電⼦材料事業部 グローバル営業総括部の出口隆啓さんにお話を伺いました!


普段はマーケティングのお仕事をされている出口さんですが

実は600名を超える有志団体航空宇宙事業本部の本部長としてもご活躍されています。

今回は、本業だけでなく社内外で宇宙への挑戦を続けられる出口さんの想いをお伝えします!

Interviewer

Panasonic学生長期インターン 安西咲百合

関西学院大学社会学部2回生

女性社内コミュニティ Panasonic Woman’s Network 運営メンバー

有志団体航空宇宙事業本部やDAO研究会に所属

アイスブレイクを盛り上げるノーコードアプリ「シャベロカ」を作成

大学ではフィールド社会学を専攻し、まちづくりを勉強中

記事監修:宮島勇也

第3回目ゲスト

出口 隆啓

さん

Space Shuttle Illustration

 2006年入社。インダストリー社の電⼦材料事業部 グローバル営業総括部に所属し、プリント配線版の原材料などのマーケティング分野を担当。

 2018年よりパナソニックの宇宙事業への参入を目的に出口会を作り、現在では有志団体航空宇宙事業本部の本部長として社内外で宇宙への挑戦を続けている。

学生時代は剣道に打ち込み、中学・高校・大学で剣道部の主将を務めた。

目次

01. アメリカの大学で学んだマーケティングが本業に


02. 宇宙好きではない私が宇宙事業本部を立ち上げた理由


03. Doerになった結果、600名を超える団体に


04. 宇宙に文系理系は関係ない。ワクワクと関心が何よりも大切。


05. 同じ方向を向き活動するために必要なこと


06. ワクワクする気持ちを我慢する必要はない


07. 個人の願いを叶える団体へ

アメリカの大学で学んだマーケティングが本業に

安西:


出口さん:






安西:


出口さん:



安西:



出口さん:








安西:


出口さん:

出口さんは現在どのようなお仕事をされていますか?


私は、パナソニックインダストリー社の電⼦材料事業部 グローバル営業総括部に所属し、プリント配線版の原材料などのマーケティング分野を担当しています。

BtoBで二次顧客のお客さんと会話する中で、「将来はこのような技術が欲しい」という声を聞き、商品企画をして開発をするという仕事をしています。2018年からは自分の希望で航空宇宙市場を担当しています。


マーケティングは大学時代に学ばれたんですか?


日本の大学では外国語学部にいて4年間スペイン語を勉強していました。日本の大学を卒業後はアメリカの大学に行き、2年半マーケティングを勉強しました。


アメリカの大学でマーケティングを勉強しようと思ったのは、どのようなきっかけがあったんですか?


大学生の時にスペイン語の教授に「君たちどれだけスペイン語ができても英語ができなかったら通用しないよ」って言われたんです(笑) 

アメリカにはずっと行こうとは思っていたんですがそれを聞いてから決心がつき、アメリカの大学に行きました。マーケティングを勉強したのは、日本の大学の時にしていたアルバイトで興味を持ったことがきっかけだと思います。ファーストフードの新規形態で関西初出店のオープニングスタッフで入った時に、関わったマーケティングの社員さんとの会話から、顧客ニーズを調べて商品化して市場投入する事の楽しさを感じたんです。


パナソニックに入社を決めたのは、どのような想いがあったのでしょうか?


学生時代の頃から日本のプレゼンスを世界で向上させたいという気持ちがあります。アメリカ留学中に、出口という個人ではなくて、「日本人としてはどうなの?」「アジア人としてはどうなの?」と意見を求められることが多かったです。そのような場に2年半居たので、日本人としての愛国心がどんどん高まり、日本の技術力は素晴らしいと思っていたのでそれを世界に広げていきたいという意味でパナソニックに入社をしました。

Statue of Liberty

安西:


出口さん:












安西:




出口さん:








安西:



出口さん:



宇宙好きではない私が宇宙事業本部を立ち上げた理由

出口さんはいつから宇宙に興味を持たれたのでしょうか?


宇宙系の団体を立ち上げたと聞くと、星座にとても詳しかったり宇宙関係の映画

全部見ているような人を想像されるかもしれませんが、実は私自身はそんなに宇宙好きではないんです。

でも、漠然と宇宙に対する興味は幼少の頃からあって...初めて宇宙に興味を持った時のことは今でも鮮明に覚えています。小学生高学年の時に、友達のお父さんと車で釣りに行き車中泊をした際に、車の天井を見上げた時に窓から見えた星空がすごく綺麗で、「宇宙には何が広がっているんだろう」と思ったことがきっかけです。小学6年生の時の担任が変わった人で卒業論文を書くと決まっていたため、その時はブラックホールについて書きました。なので、今振り返ってみると、幼い頃から「宇宙には何があるんだろう」という思いは漠然と抱いていたんだと思います。「実は宇宙自体が大きな生き物で、もしその中の一つが地球だったら、自分の体の細胞も宇宙の一部なのか?」ということも考えたりしていました。


車の天井から見えた星空は出口さんにとって忘れられない光景なんですね!

出口さんが、航空宇宙事業本部を立ち上げられたのはどのようなきっかけがあったのでしょうか?


2018年から航空宇宙市場を担当していて、電子材料の商材について話しに行った所で「パナソニックと言えば電池でしょ!」というお話を聞いたんです。それだけでなく、「供給して欲しいんだ!」という声を聞き、そこにお困り事があると感じました。

宇宙分野で採用されていて実績のあるパナソニックの製品が、予測していたよりもかなり多いと知った時、とても驚きました。この非常にもったいない現状を変えたいという気持ちとパナソニックが宇宙産業に本格的に参入することで学生時代からの願いである「日本のプレゼンスの向上」に貢献できると思い、宇宙の有志団体の立ち上げを決心しました。


そのような経緯で、現在の航空宇宙事業本部の前身となる「出口会」がつくられたんですね!


そうです!2018年の秋に「出口会」という航空宇宙事業本部の前身となる団体を立ち上げました。最初は、個人的に行うよりも「もっとほかの人を繋げていけば面白いんじゃないか」と思ったのがきっかけでした。それだけでなく、宇宙産業ビジョン2030で掲げられている内容の実現に貢献することは、パナソニックの産業報国の精神につながると考えました。

International Space Station

Doerになった結果、600名を超える団体に

Cosmic Vintage Planet

出口さん:







安西:



出口さん:









安西:

出口会では、初めは声をかけた知り合い数名で宇宙産業に貢献できるようなパナソニックの技術や製品の洗い出しを行いました。その後、2019年3月に社内のピッチイベントに参加しパナソニックが宇宙産業にどれだけ貢献できるかについてプレゼンをしました。それを聞いて興味を持った30人程度の社員が新たにメンバーに加わり、出口会を初めて半年も経たないうちに今の主要メンバーである宮島勇也さんと出会いました。この出会いのおかげで僕自身が大きく動く決断が出来たんだと思います。


宮島さんは私の学生インターンの雇い主であり指導員であり先生なんです!宮島さんとの出会いはどのようなものだったのでしょうか?


宮島さんの「Thinker(考えてるだけじゃなく)ではなくてDoer(行動できる人に)になろう」という言葉に刺激され、「悶々としてはダメだ。僕もDoerになって、本格的にやろう」と決意しました。

2012.13年に車の技術変革が来ると予想していたのですが、本業が忙しくて手が回らない状態で、当時は「あの時に行動するべきだった」と後悔していた時期でした。なので、その言葉を聞き行動しようと思いました。2019年4月には、出口会から「航空宇宙事業本部」の名称と変更し、以前よりも活動の幅を広げ広報活動にも注力した結果、現在の600名を超えるメンバーの方と活動できています。


勇気を出して行動することで自分だけでなく周りの人も変えることができるんですね!私も宮島さんから学びました!


宇宙に文系理系は関係ない。ワクワクと関心が何よりも大切。

安西



出口さん:










安西:



出口さん:


社会学部で文系の私は、「宇宙産業」と聞くと理系の人がメインで活躍する領域だと感じてしまうのですが、文系出身の出口さんはどのように思いますか?


もちろん理系も文系も必要だと思っているので、理系でも文系でも区別する必要はないと思っています。僕の中では、「得意なことをやりたい人がやるのが最善」という考えがあり、有志団体という強みを生かして「得意な分野は得意な人・やりたい人にお任せする」ことにしています。

僕は理系のバックグラウンドがなく知識もなかったりするので、知ってる人にお任せし強みを発揮しながらリードしていただくことが最善だと学びました。僕は文系を走ってきた身として僕がやりたいこと・面白いことをできるよう努力しています。

まずは、宇宙に興味があるのがスタートです!そこがスタートで「自分は何をしたい、自分は何が得意でそれをどうメリットを提供できるか」だと思います。


今のお話を聞いて、宇宙は世界中に市場があるので技術のみでなく、例えば英語が得意な方なども活躍できる領域だと感じました!


うん、そう思います!結局1人じゃ何も出来ないので、みんなが同じ方向を向いてワクワクできるかです!僕が一番大事にしているのは、「ワクワク」なんです。

 Leader Stand on Top with Hoisted Flag

同じ方向を向き活動するために必要なこと

安西:


出口さん:





安西:



出口さん:






安西:

出口さんは元々リーダーというポジションを務めることが多かったのでしょうか?


学生時代は剣道をしていて、中学・高校・大学は剣道部の主将をやっていました。日本の大学を卒業後にアメリカの大学に編入したのですが、その大学の留学生会の代表も周りから「やってほしい!」と言われてやることになりました。なので、そのようなポジションにつくことは多かったように思います。


リーダー経験が豊富な出口さんでも航空宇宙事業本部の本部長をされる中で苦労はありましたか?


もちろんあります!やっぱり社会人になってからこのような有志活動のリーダーを務めるのが始めだったので、有志団体は色々な所属や職務の方が多く、人数が多くなればなるほど活動のミッション・ビジョン・バリューやコンセプトがやっぱり大事だと思いました。人が増えれば増えるほど色んな人が色んな考えを持っていることを知ったので、一つの方向を向いてぶれないようにすることは必要だと実感しています。


やはり組織の運営には明確な方向性を決めることが大切なんですね。

安西:


出口さん:














安西:


ワクワクする気持ちを我慢する必要はない

出口さんが考える宇宙事業本部の魅力とは何でしょうか?


社会人からでも宇宙にチャレンジできて、とにかくすごくワクワクできる場所というのが最大の魅力です!

このような有志活動をしていて、社外の人から「パナソニックにしては珍しい活動ですね」「なんか面白いことをしてますね」と言われることが実は多くて...なので、パナソニックって、外から見ると守りが堅かったり新しいことにチャレンジしない会社と思われることも少なくなく、そう思われることにより社員の人も少なからずその影響も受けていると感じています。

でも僕は、パナソニックは決して面白くない会社ではないと思っているんです。

これまで航空宇宙事業本部の活動を進めていて、社内の色んな方と関わらせてもらう中で個人個人は「すごく面白そう!やりたい!」と感じてもらえることが多かったんです。でも、それが仕事・組織としてとなると途端に「ちょっとやめときます」となってしまう人が多い現状があります。本当はみんなワクワクしているのにそれを我慢しているんです。

なので、僕は航空宇宙事業本部が蓋をしてしまっているその気持ちを解放し、やりたいことをやりたい人ができるような場として事業に繋げていくことができればと思っています。


ワクワクする気持ちを我慢する必要はないんですね!

Space Station

個人の願いを叶える団体へ

安西:

 

 

出口さん:












安西:

これまでも航空宇宙事業本部は、技術シンポジウムへの出展など社内外に様々なアクションをされてきたと思うのですが、今後はどのようなことに挑戦していきたいですか?


今の航空宇宙事業本部は、600名を超える大きなコミュニティになってきて個人個人が思い描くやりたいことをまだ完全にはできていないのではないかと思っています。なので、もっとやりたい人がやりたいことを提案し、プロジェクトを動かせられるような状況に持っていきたいと考えています。現在はエボルタNEOを月面に連れていく月面チャレンジを有志団体のタスクフォースで動かしています。今後は、このタスクフォースのように、個人の想いを一つでも多くの事業化に繋げていきたいと思っています。そして、その事業化へのチャレンジが各メンバーの本業の仕事にも生かされていくという好循環をこの航空宇宙事業本部内で作り出したいです。

他にも、宇宙プロジェクトでは宇宙を事業化できる組織づくりも目指しています。社内の中で組織として宇宙の新たな部署の立ち上げを実現するために、今後も沢山挑戦を続けていきたいと思います。


個人の想いも新規事業として形にでき、それを応援してくれる組織は素敵です!

Hands and Universe

インタビューを終えて


 最後まで読んでいただきありがとうございました!

今回出口さんとお話しさせていただき、日本のプレゼンス向上だけでなくパナソニックのために、熱い気持ちを抱きながら航空宇宙事業本部として社内外にアクションされていることがとても伝わりました。

「宇宙に挑戦するには年齢もスキルも関係なく、ワクワクできる気持ちが一番大切なんです」というお話を聞いて、「ワクワクする気持ち」はやはり何よりも大切な原動力になることを学びました。私も航空宇宙事業本部で一緒に活動させていただき、少しの勇気とワクワクした気持ちさえ持つことができれば、航空宇宙事業本部はパナソニックの可能性だけでなく自分の可能性も存分に広げられる場所であると感じました。

私も、出口さんのようにDoerとなり自分だけでなく周りの人とも高め合いながら成長できるような社会人になりたいです!



次回のゲストは...


PBS 事業推進・支援本部 ITビジネスS部

山本真那さんです!


山本さんは社内申し込みイベントページ“MANA System”のプロジェクトマネージャーとして

ご活躍されている方です!

次回は、ユーザーの声を開発者に伝える架け橋をされている山本さんの魅力をお伝えします♪

他の社員インタビューはこちらから!

第1回 井村円香さんの記事 「地方勤務で孤独だった技術職の私が社内女性コミュニティとの出会いを

               きっかけに社内風土改革の仕事をすることになった話」

第2回 武永かなえさんの記事「2つの社内有志活動に取り組む私が自らサポーターという役割を選ぶ理由」

第3回 出口隆啓さんの記事  「文系出身で本業マーケティングの私が航空宇宙事業本部長(仮)になった話」

第4回 山本真那さんの記事 「パナソニックの社内イベントを支える“MANA System”とは」

第5回 森本素子さんの記事 「神様がいた会社パナソニックの経営改革・DEIとは 

               〜組織・人材開発センター長の私がなぜDEIに取り組むのか〜」


読者アンケートはこちらから → https://forms.office.com/r/CZB9krRx4i

(「この人にインタビューしてほしい!」という声もお待ちしています!)

※このページはcanvaで作成した社内限定Webページです